相続の基礎知識2 均等に分割が争いのもと?

2019年9月9日

家族のためを思って作ったエンディングノートや遺言書が、相続をめぐるトラブルを引き起こすことがあります。どんなことに気を付ければよいのでしょうか?

法定相続人の遺留分を侵害しない

法律では、その関係によって図のように相続の順序と相続割合が決まっています。

 

配偶者

その他の法定相続人
子どもや孫がいる場合 1/2 1/2を子どもの数で均等に分ける
子どもや孫がいない場合 2/3 1/3を両親で均等に分ける
親も子供も孫もいない場合 3/4 1/4を兄弟の数で均等に分ける

※配偶者がいない場合は遺産全体をその他の法定相続人で全体を均等に分ける
※子どもや兄弟がなくなっていた場合、その子供が代理の法定相続人となる
※親がなくなっていた場合、祖父母が生きていれば代理の法定相続人となる

しかし遺言をすると、法定相続人や法定相続分にかかわらず、遺言者の希望通りに遺産を分与することができます。この時に遺言があっても法律で定められた割合の半分、「遺留分」の相続の権利は消滅しません。遺留分を無視して遺言をすると、法定相続人が遺留分減殺請求をして、相続トラブルを招いてしまうおそれもあります。
親族間のトラブルを防ぐためには、法定相続人の遺留分を侵害しない内容にすることがポイントとなります。

生前に渡した分も含めて公平に分ける

特に子どもへの相続では、兄弟間で不公平感を持ってしまうことがトラブルの原因になります。特定の子どもにお金を貸していた、資金援助をしていた場合は生前に渡していた分を明確にしたうえで公平に分けるとよいでしょう。この時、生命保険や生前相続、生前贈与なども活用するとよいでしょう。

住んでいる家の相続の方法

これまで不動産を分割して相続することは、トラブルの原因になってきました。年老いた妻が子どもの遺留分を現金で払うことができず、アパート探しをし始めなければならないなどということが起こっていたのです。しかし2019年7月12日に法律が変わり、家の居住権と家の所有権を分けて相続できるようになり、配偶者が自宅に終身住み続けられる「配偶者居住権」の導入されたのです。法律の上で可能になりましたが、念のために遺言書にも明記しておきましょう。

介護してくれた人への感謝としての遺贈

これまでも介護をした相続人は、寄与分として遺産を多くもらうことができました。しかし長男の妻など相続人でない人に寄与分は認められていなかったのです。今回の2019年7月12日の制度改正は、介護をした長男の妻などが、遺産を相続した人に対して寄与した金額を請求できるようにもしたのです。法律の上で可能になったからこそ親族間の感情的な齟齬をなくし、気持ちよく相続してもらうために、介護してくれた人への感謝の気持ちを記すとともに、予め遺言書等で遺贈の額を決めておくとよいでしょう。