終活の優先順位

2019年12月6日

終活には「早めにやっておいた方がよいこと」と「急がずゆっくりと片づければよいこと」があります。焦らず少しずつ、でも着実に終活を進めて行きましょう。最初にお伝えした通り、終活は、ご自身の最終盤の人生を充実させることと、亡くなった後に家族が困らないようするために行うものです。

生きている間のリスク管理

実は「最終盤の人生を充実させる」ために行うことは2つに分かれるのです。「リスク管理」と「やり残しの清算」です。終活の最優先事項は、この「リスク管理」です。まだ生きている間に意思表示ができなくなった場合どのような医療を望み、それをどうやって伝えるのか、認知症になった場合に各種手続きを家族が行えるようになっているかなどについてです。人はいつどうなるか分かりません。明日事故にあって意思表示ができなくなってしまったり、脳卒中を起こして話せなくなってしまったりすることも考えられます。特に1人暮らしの方は、エンディングノートの「緊急時の連絡先」「健康のこと」「入院した時の希望」「終末期医療の希望」の項目を早めに書いておきましょう。

亡くなった後に家族が困らないようにする

次に行うべきことは、亡くなった後、葬儀やお墓、相続で親族がいらない苦労をしたり、親族間でトラブルに発展してしまったりすることを防ぐための準備です。エンディングノートの必須事項「地元である枚方で希望を叶える葬儀」「お墓はここがいい」「法定相続人…子や孫の書き出し」「財産について」「生命保険について」を埋めておくようにしましょう。自分自身にかんする情報は自分でとるのが一番効率的で、間違いがないのです。

やり残しの清算は、焦らずに少しずつ片づけていこう

死ぬとき後悔しないためのやり残しの清算は、焦らず楽しみながら行っていきましょう。焦る必要はありません。なぜなら、「やり残しの清算」とはよく生きることそのもので、亡くなるその日まで続くことだからです。優先順位は最後でも、「生きている間のリスク管理」をしている時も、「亡くなった後に家族が困らないようにする」準備をしている時もすべての時間が「やり残しの清算」の一部です。昔の自分や終末期の自分と向き合うことで、新たなやり残しが発見されることもあります。焦らず、少しずつ、でも着実に進めて行く、「終活」とはこれまでの自分とこれからの自分が交差する、楽しく有意義な活動なのです。